「小樽ものづくりプライト�V」をテーマとし、観光とものづくりの融合を模索している中、いま一度小樽の現状や「小樽らしさ」とは何かを共有するため、武田隆児小樽市産業振興課長(C・P・O事務局長)を講師に人口、雇用、観光についての小樽の現状と、それに対する政策(第7次小樽市総合計画から)を内容とした勉強会を開催した。

  勉強会を踏まえ、人口減少の抑制は市の最重要課題であるとの理解から、グループワークのテーマを「人口減少抑制」と C・P・Oの活動テーマである「観光とものづくり」の二つに分けワークした。


【人口減少抑制グループ】
  人口減少の抑制は、全国の自治体の共通の課題であり、中でも「子育てしやすいまちづくり」はいずれの自治体でも最も必要な取り組みとされていると考えられる。小樽においても同様で、子育て・教育環境の整備・充実は最優先であり、加えて、市民生活に直結している住宅環境(高い家賃)や税金問題(高い税金)、市内の雇用促進のため地元生徒・学生の就労機会の拡大、外国人労働者の受け入れ、さらには働きがいのある企業を目指すため給与水準の向上や企業PR機会の創出などが挙げられた。また、まちの魅力度向上のためには、地域イベントの充実や小樽製品の積極的購買を通じて域内消費を図ることで、市民のお金の循環についても推進していくことが重要であるとした。


【観光とものづくりグループ】
  「まちの魅力はモノの魅力」というイメージを膨らませてもらうために、ものづくり工場の見学や小樽での生活体験など、これからはディープな体験型観光も推し進めるべきではないか。その体験から、小樽の技術力の高さを知ってもらい、モノの魅力に触れることから小樽製品の購買力の向上へと繋げ、同時に小樽の良さを知ってもらう機会へと繋げていってもらう。そうした視点から広報・宣伝の仕方も工夫できるのではないか。
  小樽の技術は歴史があり、歴史的な背景も含め深く掘り下げて 知っていただくことでものづくりと観光の融合が図られるのではないか。

  今回の勉強会・グループワークを通して、小樽の将来を考えるとき「まちの魅力を発信する」というキーワードが共有されたと思う。
  担い手不足の解消や人口の流出超過抑制の手法には、まずまちの魅力度を上げること。そして人が育つ環境を充実させていくこと。そのためには、域内循環消費を拡大させるとともに、小樽を訪れる観光客にも魅力ある小樽製品を購入してもらうなどのお金の循環を活発化させるとともに、税金の使い道の明確化も大切 な要素と考える。さらに、世界に誇れる小樽の技術力を発信することで、若者の地元定着や技術力を求める起業家の移住などを促進し、雇用促進や人口減少の抑制にも繋がると考える。
  以上のことから、個々の企業はもちろんのこと、市の発信力を向上させることが有効な手段であると思う。あわせて、市民総意で人口減少抑制を考える必要があることから、市民が気軽に意見を言える窓口を設置し多くの意見を集め政策に反映させてはどうだろうか。
  いずれにしても、小樽の人口減少抑制についても、観光産業の推進にも「ものづくり」は大きな役目を担っていることに違いはない。企業の一層の努力はもちろんのこと、市も厳しい財源という制約はあるものの、攻めの姿勢で小樽のまちの魅力を発信してくべきであると思う。
  3月に予定している第3回定例会は、今日の勉強会・ワークをもとに、滋賀県長浜市(黒壁)、福井県鯖江市(めがね)、石川県金沢市(いちば)の三か所を視察したいと思っている。いずれのまちも個性ある取組で魅力度を発信しているまちである。皆さんで視察し多くのことを学んできたいと思う。